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岸田文雄首相を揶揄する「増税メガネ」というあだ名が広がる中、実際にかけることができるリアル「増税メガネ」が売り上げを伸ばしている。10月下旬にハロウィン用のパーティーグッズとして売り出したところ、12月に入り爆発的に売れ始めた。日本漢字能力検定協会による今年の漢字に「税」が選ばれたことに加え、自民党派閥の政治資金パーティー問題の表面化で、「税」「パーティー」というキーワードにうまくひっかかった。忘年会シーズンも相まって想定外のヒット商品となっている。
「政治的意図」なし
この「増税メガネ」(税込み1500円)はアクリル加工会社「サワダプラテック」(埼玉県)がウェブ限定で販売。アクリル製で、レンズと「政治的な意図」はない設計だ。注意書きには「かけ心地を一切考慮していないため『税』の文字(特に「禾」部分)が鼻っ面に重くのしかかります」と記載され、あくまでパーティーグッズであると強調されている。
担当者によると、同社の主な事業はアクリル製の商品棚やディスプレーの製造・販売。今年から通販サイト「アマゾン」に出店したことを機に売り出したオリジナル商品の第1弾だという。
「『増税メガネ』という言葉の響きが面白くて試作し、販売本数は10本程度と予測していた」(担当者)という。ハロウィンシーズンにはそれほど売れなかったが、12月10日の週に入ると注文が殺到。現在はすでに数百本の注文が舞い込んでおり、発送に追われる状態だという。
シリーズ化は?
パーティーグッズとはいえ、同社の熟練職人がアクリル板をレーザーで切り出して張り合わせ、一つ一つ手作りしている。「約20人の職人がいるが、1日で作れるのは50本程度。本業もあり、年末の繁忙期も重なってお客さまを待たせてしまい、大変に申し訳ない」と担当者。年末に向け、工場と職人をフル稼働して受注対応するという。
同社には「脱税メガネ」「増税クソメガネ」といった派生商品やシリーズ化を求める声も寄せられているというが、現段階では考えていないという。ただ、「今後もこうした面白い商品は作っていこうと思います。サワダプラテックがユニークな商品を作れる企業であることを多くの人に知ってもらう機会にしたい」と、前向きに取り組む姿勢を強調している。